8月に入って雨の日が多く、猛暑日や熱帯夜のない冷夏だったこの夏を過ぎて育成中の苗を確認した。
今年蒔いた当歳苗、梅雨明け前に比べて更に数を減らした。暑くはなかったが、長雨が影響したのかもしれない。 種類別ではオンツツジの生育が目覚ましく、ミツバツツジがアケボノツツジを抜いて大きくなっている。
当歳苗の生育数 | 前々回6/20時点 | 前回7/20時点 | 今回8/31時点 |
アケボノツツジ | 105 | 101 | 94 |
ミツバツツジ | 50 | 49 | 46 |
オンツツジ | 58 | 57 | 56 |
シャクナゲ | 66 | 64 | 58 |
1歳以上の苗では、アケボノツツジの苗が枯れたり、枯れてはいないが葉を落とした後に新芽を伸ばしている。今年は暑くなく厳しい陽射しも無かったし、市街地より平均温度が約2度低い山間地に置いたアケボノツツジ苗なら更に条件は良いので、盆過ぎの落葉は無いのではと期待していたが、然にあらず、山間地に置いた苗も含めて今年も落葉が始まっている。 この落葉現象は、温度や日射の影響ではなく、葉の時間的な寿命から来るものではないかと思っている。高山のアケボノツツジは花が咲いた後の5月になって芽吹き、9月末ごろ紅葉して落葉する。葉の落葉までの寿命は5カ月ほどである。この下界で育てているアケボノツツジは4月になると芽吹く。葉の寿命が5カ月とすると8月末には落葉してしまうことになるのだが、まだ気温が高いために来年用の新芽を芽吹かしてしまっているのだろう。 今の時期の落葉の問題点は、夏を過ぎての芽吹きにある。芽吹いた葉が十分に成長し来年春の新芽を付けて冬を越せれば良いのだが、来年用の新芽が十分にできないまま冬を迎えてしまうと、来年の芽吹きが無かったり、小さな葉しか展開できずに枯れてしまうという現象になっている。来年は個体ごとの芽吹きの時期と成長状況を観察してみようと思っている。また、芽吹きを遅らせる方法についても調べてみたい。
シャクナゲの苗にも枯れていくものがでたが、これは長雨の影響によるものと思っている。ミツバツツジの苗では枯れていったものは出ていない。