9月の下旬に椹島から悪沢岳、赤石岳、聖岳と縦走してきた。営業を終えた聖平小屋は開放されている冬季小屋を利用して(テントの代わりにツェルト携行)シュラフと食料を背に軽量化を図っての登山とした。台風16号が去ったあとの快晴のなか、色づいた紅葉に赤石岳周辺の素晴らしい景色を堪能できた。この山域はそれぞれの山が大きく登下降差が大きいため同じ行動時間でも北アルプスよりも1.5倍はきついと感じ、最終日は予定した上河内岳には登らずに聖平小屋から椹島にエスケープした。

※パノラマ写真と山行記録は山の写真(パノラマ)WP版にアップ予定

9/26 午前中は晴れ時々曇り、午後は曇り
・畑薙ダム臨時駐車場→椹島→千枚小屋(百枚小屋宿泊)

千枚小屋まで標高差1500mの樹林の登山道に展望はないが、途中地名や樹林の説明板を読みながら楽しく登れた。千枚小屋前もガスで富士山方面の景観はなかったが、小屋前で目に付いた赤い花をヤナギランと教えていただいた。

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登山道の所々にある看板

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送電鉄塔の下を通過。模様は幾何学的

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紅葉の始まった千枚小屋

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小屋前で咲くヤナギラン

9/27 快晴
・千枚小屋→千枚岳→悪沢岳→荒川中岳→赤石岳→赤石岳避難小屋泊

千枚岳で日の出を迎えた。雲海の中から聳え立つ富士山と日の出に感動。悪沢岳で南アルプスの北部を見渡して、間ノ岳はその山容の大きさに貫録があった。荒川中岳から荒川小屋に下り、赤石岳を目指す半端ない登下降、これが南アルプス南部の醍醐味でしょう。
14時20分に赤石岳山頂に到着、避難小屋前のベンチでくつろいでいた時にやってきたトレラン女性から御嶽山の噴火を聞くまでに多くの写真やビデオを撮っていたにもかかわらず噴火とその噴煙には全く気付いていなかった。

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千枚岳から見る富士山と日の出

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朝日に染まる悪沢岳(左)と丸山

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悪沢岳山頂から赤石岳(中央)と荒川中岳、前岳

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悪沢岳山頂から南アルプス北部の山(望遠)

9/28 快晴
・赤石岳避難小屋→百閒平→中盛丸山→兎岳→聖岳→聖平小屋(冬季小屋)

赤石避難小屋を日の出前の5時に出発。百間平で硫黄臭を感じ、すれ違う登山者も硫黄臭を感じており御嶽山噴火の影響かと話をした。百間洞小屋への下りで聖岳までの登山ルートを見渡してそのアップダウンにあ然とするも、百間洞小屋から中盛丸山斜面の紅葉に感動。聖兎のコルから聖岳を登り返しがきつく、聖岳の下りから聖平小屋までがとても長く感じた。

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百間平にて左の聖岳までの登山路のアップダウンにあ然

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百間洞の紅葉

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中盛丸山へのダケカンバの黄葉

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兎岳山頂にて、出発した赤石岳(中央)から左の中盛丸山、右にこれから目指す聖岳

この日よりカメラのピント調整が効かなくなり始め、聖岳から先の写真は期待できないと諦めた。

9/29 快晴
・聖平小屋(冬季小屋)→椹島→畑薙ダム臨時駐車場

当初、聖平から上河内岳に登って畑薙ダムに下る計画だったが、疲労とカメラの不調で聖平から椹島にエスケープした。聖平や記念碑展望台からの紅葉は素晴らしかったが、写真は完全にピンボケ⤵
使い始めて5年を過ぎたカメラ、鎖場でも首から下げたままで岩にぶつけるなど小生の山行に5年も耐えてくれて感謝してます。

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記念碑展望台から見る聖沢の紅葉

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赤石沢越しから見る赤石岳

 

御嶽山噴火
御嶽山が噴火した9月27日は荒川岳から赤石岳への縦走中で、雲海の中で立ち上る細い雲の柱に小さな積乱雲かなと思っていました。赤石岳避難小屋に着いてトレランの女性に御嶽山の噴火を聞いて赤石岳山頂に駈け登って驚きました。御嶽山からの噴煙は南アルプス北部の山々の向こうを越え富士山の方へと流れており、規模の大きそうな噴火に紅葉登山シーズンに大きな被害が出ていなければと話し合っていましたが、下山して多くの犠牲者が出ていると知りました。お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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小赤石岳への登山路から荒川三山を振り返る。左に御嶽山の噴煙(9月27日12時35分ごろ)

 

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赤石岳山頂にて左の御嶽山から富士山方面に延びる噴煙(9月27日16時23分ごろ)